C5雑感 その2 

20140819_01.jpgシトロエンC5のインプレッション・・今回は走行感についてお届けします。C5と言えばハイドロ。さかのぼれば先代はエグザンティア、その前はBX、さらにその前はGSA、そしてGSに行き当たる、シトロエンの「小さい方のハイドロ」という言い方で合ってますでしょうか? もともと、DSに始まり、CX、XM(Xm)、からC6につながる「ビッグシトロエン」にのみ搭載されてきたハイドロニューマチック・サスペンション。この油圧を用いた独創的な足まわりは、乗り味もとても個性的・・というのを雑誌や書籍で読んで知っているだけ、というのが自分の立ち位置でした。つまりディーラー試乗以外でハイドロ車を運転したことはととんどなかったと。一体どんな乗り心地なんだろう・・興味津々なのでありました。



さて、C5のロードインプレッションです。自分歴代のハイドロ車にはほとんど乗ったことがなく、乗せてもらったとしてもごくごく短距離だけですので、それらの車種と自分のC5とを比較して語る、などということができません。なのでハイドロ好きな方々にとっては「何を言ってるの?」的な部分もあろうかと思いますが、そんなことは気にせず勝手にやらせてもらいます(笑

ブレーキペダルを踏み、AL4型ATのシフトレバーをPからDへ・・ジグザグのシフトゲートははじめてではないのですが、どうも使いづらい。Dへ入れるのは何ともないのですが、DからRへ入れるとき、勢いあまってPまで行ってしまうとか(苦笑。で、あわててRへ入れ直そうとすると、今度はNまで行きすぎてしまう・・そのうち慣れてくるんでしょうか?

いざ、Dレンジでアクセルペダルを踏んで発進します。AL4という4段ATの悪評はずっと前からよく聞いてきました。シフトショックが大きいだとか、アクセルオフしたら惰性で転がっていってほしいのに、積極的にエンジンブレーキを多用するとか、壊れやすいとか(汗、悪いウワサには事欠きませんね。

自分のC5の場合、発進からアクセル開度を一定に保つと、意外なほど静かに穏やかに2速へと変速してくれます。しかし発進してすぐに前が詰まってきてアクセルオフしないといけない状況に陥ると、ガツンッと強めのシフトショックが返ってきます。これは1速から2速への変速でのみ起こる事象で、2速から3速、3速から4速への変速では起こりません。しかもとてもスムーズ・・なので1速から2速のところだけ、アクセル一定で行けるようにコントロールできたら、そのままずっと滑らかに変速し、速度が増していきます。

AL4のシフトアップが滑らかに感じたのは、おそらく前のC2に搭載されているロボタイズドMT(セミオートマ)のセンソドライブを経験したせいだと思います。センソドライブの場合、シフトアップする瞬間にアクセル一定だどものすごい失速感が感じられます・・きわめて不快な。これを回避するためにMT車のシフトアップ時と同じようにアクセルをちょっと抜いてやります。するとスムーズなつながりになります。

AL4の場合、トルコン式ATですから、センソドライブなど比べ物にならないほどスムーズです。4段ATなんて、もうそろそろ時代遅れですし、スピードも乗せられないだろうからイヤだなと思っていました。それがどうでしょう・・街乗りでもきわめてスムーズ。運転していてとても楽なのです。

前のC2,発進時の半クラッチがとても苦手そうでした。完全停止状態からの発進だと必ず1速からスタートするのですが・・例えば一時停止しなくていい交差点などで減速して完全停止しないままふたたび加速しようとすると、1速と2速の間で迷いやがるのですね。どっちつかずで半クラッチの時間が長くなる・・イライラするのはもちろん、ここ一番で前へ進まないもんですから、合流したりするのに結構危険。

直列4気筒2.0L自然吸気(NA)エンジンは、思っていたよりも力持ちです。アクセルペダル踏めばしっかり加速してくれます。あの車重(1,430kg)で2.0LのNAエンジンではパワー不足なんじゃないか?と思っていました。しかしその予想はいい方に裏切られました。もちろん、メガーヌR.S.の2.0Lターボエンジンのような大パワー・大トルクはありませんが、必要充分でした。

逆にC2は軽量(1,080kg)コンパクトなボディに1.6Lという排気量なら、パワーは充分以上かと思っていましたが、意外にも加速は鋭くない・・おそらくセンソドライブが悪いんでしょう。ロスが多いんだと思います。対してC5のAL4はきちんと仕事できてる感じ。

走りだしてからC5には不思議な感じがありました。タウンスピードで走ると、窓の外の景色が早く流れる感じなんですよ。そこそこスピード出て60km/hぐらいかな?と思ってスピードメーターを見たら、なんと30km/h!・・遅ッ!! 40km/h、50km/hで走ってても、法定速度オーバーしてるんじゃないの?と思うことが多々あります。

この視覚感覚はめずらしい・・メガーヌもクサラもC2も、スピード出しても窓の外は遅く流れて、その結果いつの間にかスピードを出しすぎてしまうということが多かったです。しかしC5は発進直後から窓の外が早く流れて、あまりアクセルペダルを深く踏み込むことをしなくなる・・そういう意味では安全ですね。

それでも高速道路を走行するような速度域になると、他のこれまでに乗り継いできたフランス車たちと同様に、遅く感じるようになってきます。こんな視覚感覚ははじめての経験です。クサラよりも前に乗っていたドイツ車のVWゴルフや、日本のホンダ車にもありませんでした。

さて、いよいよ乗り味、乗り心地の感想です。ハイドロニューマチック・サスペンションの発展形、「ハイドラクティブ3」というシステムが搭載されているのですが、ごく低速で走っている分にはハイドロ感はまったく感じませんね。バネサスなんだかハイドロなんだか、少なくとも自分には見分けがつきません。でもスピードが乗ってくると、にわかに変わってきますね・・「あ、この瞬間がハイドロだね」的な(笑

長い直線を60km/hあたりでしばらく走り続けるような状況がいちばんわかりやすいように思います。雑誌などで自動車評論家が書くようなフレーズを引用するなら、「毛足の長いじゅうたんの上を、擦り足で歩くような」とか、「路面にアイロンをかけて滑らかにしながら進むような」とか、その他いろいろな表現方法でハイドロを語ってこられました。

では自分のようなハイドロ初心者が、どのような表現を用いればいいのか・・感じとしては、4本のタイヤとアスファルト路面の間に「何かが挟まっている」ような感じ? 路面のザラザラを直接カラダに感じない。例えとしては上手くないかもしれませんが・・

「アイスバーンにはなっていない少し積雪した路面をそこそこのスピードで走ったときの感じ」に似てるかも。または・・

「未舗装露だけれども大きなデコボコがない路面をちょっとトバしてハンドルが効きにくくてヒヤッとしたときの浮遊感」とか。

そう、滑りやすい路面でちょっと飛ばしすぎてフワッとしたときの不安な感じに似てるんですが、現実にはタイヤは路面をガッチリつかんでいますので、ハンドルもバッチリ効きます。不思議な感じはあるのですが、嫌いじゃないです。乗ってて気持ちいいですからね。

そしておそらくハイドロ車がいちばん得意とするシーン・・高速道路を一定速度で巡航するようなとき、前述の気持ちのいい浮遊感に、上下の揺れがほとんどないフラット感、そしてビシッとまっすぐ進む直進安定性が加わり、凪いだ湖面を高速で走る船にでも乗っているかのような印象・・まぁ、船舶免許は持っていないので想像なのですがね(苦笑

この「ふね感」・・嫌いじゃない、と言うか、好きかもしれません。ハイドロ病みつきになってしまうかも・・ヤバいですね(汗。今の初代C5に慣れてしまったら、よりハイドロ感が色濃い、それ以前の車種が欲しくなってしまったらどうしよう・・灰泥沼なんて、ガラじゃないんですけど。

考えてみると、メガーヌR.S.とはまるで正反対なんですね。メガーヌR.S.の場合、路面の状況をタイヤから事細かに伝えてくるワケですよ。それはスポーツモデルとしては重要なこと。タイヤがどれぐらいグリップするのか・・それは早く走るために重要なことだからです。そしてタイヤを路面にピタッと押し付けていくセッティングになっている・・浮いた感じがあってはいけないワケです。

正反対のキャラクターをもつ2台のフランス車を所有できているというのは、とても贅沢なことかもしれませんね。最近、メガーヌのほうに乗る機会が減ってきているので、もっと乗ってやったほうがギャップを楽しめてオモシロさ倍増でしょう・・ヨシ、もっと乗ります。

コメント

自分の所有車のハイドロ感

自分がハイドロ車を所有してみての感想は、
「とにかく普通に走っている限り上下に揺れない!」
これに尽きるでしょうか。
それに比べると、クサラは結構上下に揺れます。
ただ、それは角の取れたものなので、別に不快には感じません。
それに対し、ハイドロ車は、上下の揺れすら殆ど感じないというか。
それでいて、コーナリング時には独特のドンブラコ感というか、
サスストロークの大きさを感じたりもします。
その反面、橋の継ぎ目などでは、クサラではまず感じない
酷い突き上げ感も感じたりしますが。
でも、こういうと笑われるかもしれませんが、
正直、自分が20年ほど前に所有していたバネシトロ、
2CVのサスストロークを2割増にしたような乗り心地ですね、
ハイドロ車って(爆)。

>感じとしては、4本のタイヤとアスファルト路面の間に
>「何かが挟まっている」ような感じ?

ああ、それ分かります。自分はその感覚を、
「分厚いゴム(もしくはウレタン)マットの上を走っているような感じ」
だと思いましたよ。

時代によって違う?

友人サン
酷い突き上げ感、よくわかります。
以前、BXに乗せてもらったり、チョイ乗りで路上を運転させてもらったときに、ガンッ!て来てビックリしたことありましたもん・・それほど大きい段差でもなかったのに。
はじめてそれを経験したときは、「このBX、ちゃんと手入れされてないんじゃないの?」と思いましたが、次に別のBXに乗って理解しましたよ・・そういうもんなんだ、と。

ウチのC5は、突き上げ、それほどでもないです・・バネ車と変わらない。
それからコーナリングであまりロールしないかもしれません。
ちょっと飛ばし気味でダブルレーンチェンジ、やってみたんですね・・そしたら、上屋はけっこう水平を保っている感じがしました。それでいてタイヤが少し鳴きましたので、横Gは掛かっているはず。
ハイドロとひと口に言っても、設計年次によって随分と違うもんなんですね。

突き上げがないのや、コーナリング時にロールしないのは、
ハイドラクティヴのおかげかと。

なるほど

友人サン
あと、エンジン停止しても車高が勝手に落ちない、というのもありますね(笑
技術が進化して、得たものと失ったものがある、と。

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